ムクドリ家族を懐かしむ
私の家の近くに
9人家族のムクドリさんが住んでいて
私はその生活を眺めるのが好きだった
ぎゃーぎゃーと鳴くことが多いゆえ
騒音だと嫌われがちなムクドリさん
でもよく観察してみるとその行動は愛くるしく
ぎゃーぎゃーと警戒して鳴く時には
それなりにムクドリ側に理由があるからおもしろい
梅雨明けした頃 ふと気付けば
その慣れ親しんだ鳴き声が聞こえない
ムクドリ9人家族はいなくなってしまったのだ
日の出の頃
葉っぱの先の朝露を観察していたら
懐かしのムクドリさんの声が聞こえてきた
電線の上に二羽のムクドリさんが並び
朝日に向かって羽のお手入れをされている
懐かしのお姿に心踊る夏の朝
羽の色の薄かった幼気な子どもたちは
すっかり成鳥の姿になったのだろうか
また来年の春も新しいムクドリ家族が住むといいな
ムクドリさんの一番好きな姿は
羽を広げたまま微動だにせず日光浴するお姿
このお姿への熱き想いは
またいつか言葉にしてみたい
ムクドリ9人家族のことを
ついに言葉にできて 私はうれしい
こんなことを話したらキモイかな?とか
この人頭だいじょうぶ!?って思われないかな?とか
そもそも9人家族って確証はないのに
なに勝手に9人家族ってことにしちゃってるんだ?とか
いろいろ考えてしまって
これは私の胸の内に留めておくべき私とムクドリの物語なのではないか?と思ったけれど
やっぱり やっぱり
言葉にして誰かに伝えるのって楽しい!
私とムクドリ9人家族だけの秘密の関係を
ついに誰かに聞いてもらえる可能性の中にいる幸せ
これからも好きなことを言葉にして
わくわくしていけますように